LGBTって障害なの?
いいえ、違います。
診断の上では。
本日のテーマは、
”LGBTって障害なの?”
ということで、Lismのmaaiがお応えしましょう。この世界にはたくさんの人がいて、考え方も多種多様、同様に受け取り方も様々です。今回の概説も多様な考え方のひとつとして捉えていただければ、と思います。
近頃イベントレポが多かったので、
久しぶりの学術編。(緊張←)
近年、発達障害の部類に配置されがちな
LGBT(性的マイノリティ)。
LGBはあくまで性的指向を指し、
Tは性自認の不一致を指します。
ですから、障害ではないのです。
そもそも、障害とは何でしょうか。
というよりも、現在 ”障害” という言葉は
存在しません(ここは敢えて言い切ります)。
2013年5月18日に改訂版DSM-5が発表されました。DSMとは、アメリカ精神医学会(APA)が作成する、『DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)』:精神疾患の診断・統計マニュアルです。2014年には日本語版が出版されています。
また、世界保健機構(WHO)が作成する、『ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)』:疾病及び関連保健問題の国際統計分類もあります。
どちらも国際的な診断マニュアルですが、精神科医療においてはDSMが診断基準として多く採用されています。
本日はそんなDSM-5より。
GIDという言葉はご存知でしょうか。
”性同一性障害” Gender Identity Disorder
頭文字をとって、GIDといいます。学会が存在するくらいですので、認知度は非常に高いといえるでしょう。
生物学上の性と、自認の性が異なることをT(トランスジェンダー、トランスセクシャル、トランスベスタイトを含む)、または、GIDと呼びます。
GIDのなかでも、
生物学上の性が女性で、自認の性が男性の方は
FTM(Female to Male)と呼ばれ、
生物学上の性が男性で、自認の性が女性の方は
MTF(Male to Female)と呼ばれています。
ここまでは、既にご存知の方も多いでしょう。
GID、いいえ、
今は、GDが正式名称です。
説明しましょう。
”性別違和” Gender Dysphoria
障害ではなく、症状で捉えること。和訳の問題ともなりますが、要は一過性ではないということを主張したわけですね。
また、DSM-5では障害をスペクトラム(連続体)として捉えています。つまり、該当するか否かではなく、どの程度該当するのかに重きが置かれているのです。
さらに診断基準をみてみると、性同一性よりも臨床的問題としての不快感が重視されている。時代巡行ですね、まさに。
また、気質要因、環境要因、遺伝要因と生理学的要因と、発症要因も様々です。
ひとつ認識していただきたいのは、
なったんじゃないんです。
そうだったんです、もともとね。
GDになった、のではなく、
元からGDだったんです。
そのトリガーが異なるだけ。
GIDであれGDであれ、どちらも診断名であることには変わりないわけで。DSMつまり精神疾患で扱うべきではないという主張もあるけれども、診断がつくということは、同時に福祉制度の対象となるということ。
言いたいことはお察しいただけたでしょうか。
何を選択するのかは、どう在りたいか、
結局は自分次第。
カテゴライズのためではなく、
自分とは何か、
その問いのヒントとなりますよう。
Lism/maai