第二回【LGBT × 教育】学習会
先日、渋谷区某所にて開催されました学習会。
学校の先生をはじめとする教育関係者さん、
研究者さん、教職を目指す学生さんなどなど、
計37名の先生方にご参加いただきました。
次なる学びに向けて、
学習会の内容をレポートさせていただきます!
第二回 【LGBT × 教育】 学習会。
第二回目のコーディネーターは私maaiが、
スタッフはRITZが務めさせていただきました。
本日のテーマも、
「教育機関におけるLGBT児への配慮と支援」
・LGBTに関する話題提供(各30分)
LGBTについて~当事者として伝えたい事~
恋愛について~恋愛は異性だけじゃない~
自認とカミングアウトについて
・グループワーク(15分)
・フリートーク(15分)
前回の学習会はアクティブラーニングがメインでしたが、今回は人数の都合上、講義形式で進めさせていただきました。
限られた時間のなかでしたが、講師4名によるLGBT教育に関する多岐に渡る話題提供を行いました。このなかから何を学び、何につなげるか、セクシャリティが多様であるように、
その感じ方も多様であっていいと思うんです。
それでは話題提供の内容を少しだけご紹介。
・LGBTについて~当事者として伝えたい事~
講師:Ryo(特別支援学校 教諭)
当事者だからこそ語れること、ライフヒストリーを。また、LGBT×教育に関する講義の必要性と実態を研究ベースにお話しいただきました。
教育的アプローチは二段階に分けられる。
【間接的な配慮】 と 【直接的な支援】
そして何よりそのバランスが大切。
その子には何が必要なのか、
ではなく、その子は何を必要としているのか、
そこに目を向けられる教員で居たいものです。
カリキュラムを、
”学ぶというよりは触れることが大事”
学ばせることが職務ではなく、学びのきっかけを提供するだけでいいのかもしれないと、そう感じたひとときでした。
・恋愛について~恋愛は異性だけじゃない~
講師:ryoku(中高一貫女子校 教諭)
教育実践をベースに教員側の課題について生徒の反応を交えてお話ししてくださいました。
LGBT特有の存在の見えにくさ。
実は身近にも居ること、LGBTであることはその人のすべてではない、構成要素のひとつに過ぎないこと。ヒトをヒトとしてみている先生故の発言ですね。”心にとめておきたいこと”そんな表現からもあたたかさが滲み出ています。
女子校ゆえの、
”多様性の否定”についてどう考えるのか。
価値観の押し付け、外的自認の誘発、アウトプットする側もまだまだ配慮事項が多数です。
教員が当事者であることによる影響力にも触れた瞬間でした。両側面のバランスを。
・自認とカミングアウトについて
~多様な視点でLGBTを考える~
講師:Seiji(大学院 教育学研究科)
自認の時期、セクシャリティ容認の時期、カミングアウト時期、その三段階について当事者研究をベースにお話しいただきました。
性的指向(LGBA)と、性自認(シスジェンダー、トランスジェンダー、Xジェンダー、アジェンダ―)に分けた概説と、ジェンダーを連続体として捉えようという主張。図式化されたスライドは宝物になったのではないでしょうか。
”連携が求められる中のアウティングの危険性”
当事者としての視点と教員としての視点、
どちらも大切ではあるものの、
その時に、どちらが優先されるべきなのか。
アライだからこその求心力と発信力に、今後も期待大の若手研究者さんです。
・グループワーク
~カミングアウトについて考えよう~
講師:maai(Lism教育部)
グループワークといえど参加は自由です。
事例ケースを基に、自分の考えと他者の考えを比べてみる。そして、いろんな考えを味わう。
①カミングアウトする?しない?
②誰にカミングアウトする?
③その理由は?根拠は?
今回のケースはグループごとに記載情報の量が異なりました。そのなかで、①~③に変化はあるのか。情報量が多いことはいいことなのか。情報量=知識という認識は正しいのか。
しかし、本当に考えるべきは…
①~③以上に教員には考えるべきことがある。
そんな問題提起のグループワークでした。
正しい理解が必要なのは教員なのか。
配慮すべきは当事者ではないのではないか。
これについては、今後も引き続き、まだまだ議論の余地がありそうです。
若手の活躍が目立つLism教育部、学びを楽しむ先生方、若手の研究者さん、ともに学びを深め合える仲間を募集しています。
▷http://www.kokuchpro.com/event/lism_education/
本日の学びが発達支援の一助となりますよう。
いつだって学びを楽しめるところに。
Lism/maai