Lism -RITZとmaaiのふたりごと-

楽しさ、追求中。

第5回【LGBT × 教育】学習会

 

第5回の学習会も、満席御礼!!!

今回は、LGBTAオールセッションということで、いつもとは少し違ったテイストでお送りさせていただきましたが、ありがたいことに、

計35名の先生方にお集まりいただきました。

 

次なる学びに向けて

今回も情報共有の時間に参りましょう。

 

第5回 【LGBT × 教育】 学習会。

コーディネーターは今回も、私maaiが務めさせていただきました。(RITZが急遽欠席につきまして、サポートいただいたみなさま、ありがとうございました!来月もよろしくどうぞ!)

 

Lism教育部 本日のテーマも、

「教育機関におけるLGBT児への配慮と支援」

LGBTに関する話題提供(30分)

 ~LGBT教育の現状と課題

LGBTAオールセッション(75分)

フロアからの質疑応答(15分)

今回は初の試みということで、講義形式の後には、いずれも子どもの発達支援に携わるゲストスピーカー5名をお迎えして、教育オールセッションを開催させていただきました!

 

ということで、セッションまでの道しるべを。

LGBT教育の現状と課題

講師:maai(Lism教育部)

 

LGBT教育の対象を教職員と設定し、学校教育のなかでのセクシャルマイノリティ理解の現状をご報告(maai調査,2017)。LGBT性同一性障害と捉えられてしまうことの一考察を述べさせていただきました。教職員の知識不足は否定できないものの、では、その要因とは何であるのか、Lism教育部が迫るのは、根幹部分。

 

また、教員養成課程における理想と現実のギャップを先行研究を基に数値で示させていただきました。しかしながら、今回お示ししましたデータも結局のところ、ひとつの指標に過ぎません。この結果をどう実践に還元するのか、常にそこを見据えられる教員でありたいものです。

■教員研修の課題

研修を聞いた教員が即時実践へ

そう、教員は基本的に勤勉であり、吸収力もあるのです。LGBTについて、「知る」だけではなく、「理解する」ことまで到達するはずです。しかしながら、その情報を発信することはできても活用できるとは限りません。その限界を知ることもまた、学びのひとつでしょうか。

 

LGBT当事者の先生方の協力体制

セクシャルマイノリティを理解してもらうことを、決して目的にしないでください。セクシャリティが多様であるように、受け入れ方も多種多様。つまり、「受容」できるのか否かも個人の自由です。真に歩み寄るべきは誰なのか、この機会に今一度考えてみましょう。

 

教員研修を担当するのは当事者

子どもたちがはじめて出逢うLGBT当事者が【LGBTのスタンダード】になること、それがステレオタイプを助長する危険性があることを説かせていただきました。何度も申し上げておりますが、大事なのは講師自身がそのリスクを認識しているのかどうか、それだけです。

 

(※教員研修の課題につきましては、第3回学習会レポでも情報共有しております。)

 

上記を踏まえた上で、

今現在、学校教育に必要なモノとは何か。

Lism教育部としてのひとつのこたえが、今回のLGBTAオールセッションです。日常生活のなかで、当事者さんと接する機会のない先生方にとっては、多くの声を同時に耳にできる良い機会となったのではないでしょうか。ゲストスピーカーの先生方のほんの少しの緊張感と、フロアからの期待感、そこにコーディネーターmaaiのいつものゆるさをプラスして開幕です。

 

STEP1ゲストスピーカーさん入場

 

STEP2ゲストスピーカー紹介(Name & Age.)

STEP3コーディネーターより質疑応答

(ココでのポイントは、セクシャリティ間の差異を味わうこと。ひとつの質問に対して、LGBTAゲストスピーカーさん全員が回答するという形式で進行させていただきました。)

 

資料の最後に綴じ込まれた、オールセッション用のメモ用紙(以下、参照)を効果的に活用しながら、質疑応答が展開されていきました。

(ちなみに”R”は緊急ゲスト参加が確定したRITZ用でしたが、お仕事の関係上、LGBTAオールセッションに再度変更いたしました。)

 

STEP4フロアより質疑応答

(30分間のオールセッション前半戦の後、一度ご参加の先生方より質問を受付け。)

 

フロアより「○○先生にお伺いしたいのですが、~~とは?」

 

maai「Tの○○先生にご質問ですね?」

 

フロアより「ハイ。」

 

直後、モニター画面が切り替わる

その合図とともに、ゲストスピーカーの先生方が、一気に並びを変える。突然ざわめき出すフロアと、構わず進行していく私たち。そう、これがフロアに私たち6人が仕掛けたトラップ。そして私たちからの”気付き”の贈り物

 

Lism教育部が仕掛けたトラップはふたつだけ。

(1)モニターに「LGBTAR」という視覚的情報を常時表示し、(2)ゲストスピーカーさんの座席配置をランダマイズしただけ。

 

ゲストスピーカーは左から「LGBTAR」の順で並んでいるはずだ、これがステレオタイプ。それを、ご参加の先生方には、身をもって体感していただきました。LGBT・教育・というワードに集まられた先生方であっても嵌まってしまう罠。「LGBTは外見だけでは分からない」ということを全員で証明した瞬間でもありました。(Tの○○先生は、Tだと思われる座席に座っていたGの○○先生だったわけです。)

 

今回は、もともとゲストスピーカーの先生と面識のあった1名を除いて、すべての先生方がトラップの餌食に。トラップへの嵌まり具合は、メモ用紙をみれば一目瞭然。同じ方向に進行していく手の動きは圧巻だったのではないでしょうか、ゲストスピーカーの先生方。

(Lism教育部はゲストも含め、フロア全体で楽しむことをモットーにしております!)

 

STEP5改・コーディネーターより質疑応答

(後半戦は、セクシャリティに関係する質問も遠慮なく展開させていただきました。)

引き続き質疑応答に、yes/no質問も交えながら、議論は白熱の一途を辿る。(指名制なので、コーディネーターに当てられた先生のみ回答権があることを事前に念押ししていたにも関わらず、質疑応答の途中で喋りたいです、と挙手するゲストスピーカーの若手ふたり。※Lism教育部は若手の研究者さんを応援しています、アグレッシブさがますます学習会を味わい深くしていくひと時でした。)

 

STEP6セクシャリティ・テーマトーク

(ココでのポイントは、セクシャリティ特有の考え方に触れること。1人1題、コーディネーターmaaiより教育につながるご質問を。)

同一の質問のなかでは検出されづらいセクシャリティ特有の問題に、ダイレクトに迫る。学齢期・成人期の困り感のちがい、当事者性、マイノリティ差別、特別視される現状、多角的な視点と気付き、多岐に渡るテーマは、学びの秋にぴったりだったのではないでしょうか。

 

STEP7改・フロアより質疑応答

新たな気付きに発展するフロアからの質疑応答の時間は、我々トラップ仕掛け隊としても楽しい学びの時間となりました。時間の都合上、yes/no質問での受付けになりましたが、多くの先生方の声を聞くことができました。

 

改めまして、今回も実り多き時間をありがとうございました。そして、ゲストスピーカーの先生方に改めて拍手をお願い致します

 

それでは、Lism教育部・RITZより。

■やっぱり人は見た目で、「こうだろうな」、「ああだろうな」、「こうすればいいんじゃないか」、「こうして欲しいんじゃないか」って、頭のなかでイメージをする。そういった先入観は誰にでもあることだけれど、実際に教える側の人間にもあるという現実。目に見えていない障害であったり、困っている部分をどれだけ自分が捉えられるかで、現場での選択肢の広がりにつながるんじゃないかな。

だからこそ、目に見えるものは情報の1つであって、それがこたえではない

(このメッセージを、他でもなくRITZが発信したことの重みを、私たち教職者は敏感に感じ取らなければいけませんね。)

 

最後に、Lism教育部・maaiより。

LGBTステレオタイプを脱却するためには、多くの当事者の考え方に触れる必要があります。しかしながら、ゲストスピーカーの先生方が各セクシャリティのスタンダードではないこと、これだけはお忘れなきよう。

 

正しい理解が必要なのは教員なのか

 

配慮すべきは当事者ではないのではないか

 

我々の問いのこたえを、今日も探しに。

楽しさを追求するmaaiとRITZによる発想の転換と、本質を見抜く力をかけ算し、今の学習会のカタチができあがりました。さらに、話題提供・ゲストスピーカーの先生方とのコラボレーションによって、学びの楽しさは拡大中

 

今後も、学びのきっかけのひとつに。

 

発達支援に携わるすべての方、学びの楽しさを知りたい方、Lism教育部では、ともに学びを深め合える仲間を随時募集しております。

https://ameblo.jp/lism-r-m/entry-12330609325.html

私たちには、譲れないものがある。

 

本日の学びが発達支援の一助となりますよう。

学びはいつだって楽しさとともに。

Lism/maai